イントロダクション
植樹プロジェクト ゆずりは

コロッケが、本名〈滝川広志〉として臨む初主演作。

「死」と向き合う葬儀の現場で、命の尊さと大切な人への思いを描くせつなくもあたたかい涙あふれる映画の誕生

 誰もが避けて通ることの出来ない「死」を通して、命の尊さと大切な人を見送る思いを描いた、せつなくもあたたかい涙あふれる映画が誕生した。「ゆずりは」は、葬儀社に務めるベテラン社員と新入社員が、さまざまな葬儀の現場で出会う人々の悲しみや愛に触れながら、自身の迷いや葛藤と向き合っていく物語。“ゆずりは”は一年を通じて緑の葉を絶やさない常緑樹で、若葉が育つのを見届けて古い葉が落ちるその様から、代々受け継がれていく命のバトンにも見立てられる。少子高齢化社会の到来で、誰もが自らの「死」とどう向き合うかを問われる現代。葬儀という「別れ」を介して出会う人々の心の交感は、老若世代を超えた幅広い観客層の共感を呼ぶことであろう。
 主人公のベテラン葬儀社員・水島に、日本を代表するエンターテイナー・コロッケが、本名の滝川広志として初主演。芸歴37年目の新境地をみせる。ある想いを胸に葬儀社で働く新入社員・高梨に、『ライチ☆光クラブ』(‘16)、の柾木玲弥。世代も考え方も違う二人がそれぞれに成長を遂げていく。原作は、葬儀をめぐる多彩な人間模様を描いた新谷亜貴子の同名小説(銀の鈴社・刊)。監督は、大ヒットドラマ「HERO」の加門幾生。脚本は、吉田順と企画演劇集団ボクラ団義で作・演出を務める久保田唱が共同で執筆。その他のキャストには、勝部演之(『金融腐蝕列島・呪縛』)、原田佳奈、高林由紀子、島かおりらが、ワークショップで見出された若手俳優たちと互いに刺激し合いながら、豊かな作品に仕上げている。また、本作のために書き下ろされた主題歌「楪~yuzuriha~」(babycat!records)をR&Bシンガーソングライターの森本ナムアが透明感のある歌声で花を添えている。

新谷亜貴子の隠れた名著「ゆずりは」が問う大切な人を見送った人々の生きる意味

「死」は「生」に一番近い存在です。
「死」に触れた時ほど、「生」を感じたり思い出したりすることはありません。毎日、消える命と生まれてくる命があります。
私たちも、そんな「繰り返される生と死」の営みの一部であり、そうした無数の命がこの地球という星を支えているのです。
誰かの命が傷つけられたり、奪われたりするニュースが多い今だからこそ、そんな思いをこの小説に託しました。

原作:新谷亜貴子